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香川真司 11年前

“追われる立場”となった香川真司。ライバルとなり得るマンU若手選手の実力とは?

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Asuka Kudo / Footballchannel

バレンシアからポジションを奪えそうなザハ

 イングランドで今一番期待されている若手と言っていいのがウィルフレッド・ザハ。1992年生まれの20歳で、昨年には既に代表デビューを果たしている技巧はウインガーだ。昨シーズン冬にクリスタルパレスからの獲得が決まっていたが、経験を積ませるためにローンバックという形でシーズンいっぱい前所属クラブに留まり、今夏からユナイテッドに合流した。

 右サイドでも左サイドでも複数の相手を抜くフェイントを持ち合わせ、ボールをフリーで持つと「何をしてくれるんだ?」と、目をこらしたくなる。

 しかし、本当の武器は足技ではなく、一瞬で相手をかわす瞬発力と、少しかわせば敵DFを抜去らなくてもクロスをあげきることを可能とするリーチの長さだ。必死にくらいついても、相手が届かないところでボールを触られるので、DFにとってはやっかいな選手と言える。

 欠点は、ボールを持っていない時の動き出しがまだ足りないのと、守備でさぼってしまうこと。ただ、年齢を考えれば成長し、改善される可能性は十分にある。

 今シーズン出場が多くなりそうなポジションは右ウイング。昨シーズン、絶不調だったとはいえども、クロス精度が低い、状況判断が悪い等、能力の限界を露呈してしまったバレンシアからレギュラーを奪うのは時間の問題かもしれない。

 バレンシアが起用されている唯一と言ってもいい理由は守備で頑張れること。であるならば、ザハがある程度守備のサボり癖を治せば即レギュラーだろう。

 若手の中で一番レギュラーに近い存在だが、右サイドでの出場が増えそうなので、直接香川のポジションを脅かす危険度はそう高くないかもしれない。しかし、レギュラーを奪えていないシーズン序盤であれば、場合によっては左サイドでの起用もありえるので、香川にとって油断ならない存在だ。

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