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日本代表 11年前

日本代表が強豪国との差を埋めるために――。本田が語った“フィニッシュ”の本当の意味

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「それぞれの選手がクラブに戻ってどういう意識でやるか」

 流れの悪い時にどうするか。それは選手1人ひとりが日々のプレーを通して考えなければならない。だが、日本代表の中で、世界トップレベルで毎日やれているのは香川(マンチェスター・ユナイテッド)と長友佑都(インテル)、内田篤人(シャルケ)などそこまで多くはない。本田自身もロシアという環境、そして移籍話が思うように進まない現状に苛立ちがあるようだ。

「ただ頑張ってるだけじゃ、いいビルドアップはできない。世界トップリーグやチャンピオンズリーグみたいなレベルの高い試合を何十、何百と経験して、自然と身についていくものだと思うんです。その部分はJリーグでやってる選手はどうあがいても勝てない。だから早く海外へ出た方がいいと今まで僕は散々言ってきましたよね。

 コンフェデ後にも言ったように、どれだけのクラブで結果を出してるかっていう自信が大きいんですよ。中盤やボール保持率だったりはほんのちょっとの差しかないけど、結局は最後のフィニッシュの部分。守備で言ったら体を張る部分やから。やればやるほど次から次へと課題が出てくるもんなんです。

 こういう時だからこそ、逆にポジティブなところを振り返ってやりたいなと思いますけどね。後半はいい形で取れた時も相手のゴール前まで行けた時はあったから。大事なのはやっぱり日々の積み重ね。それぞれの選手がクラブに戻ってどういう意識でやるか。今日の悔しさを忘れずにやっていくことが、そういう差を埋める唯一の方法かなと思います」

 試合前に無言を貫いている分、堰を切ったように胸の中の思いを吐露し続けた本田。思ったように進化できない自分自身やチームに不完全燃焼感を抱いているのは間違いない。それでもブラジル本大会は刻一刻と迫っている。

 彼がこだわる攻めきるサッカーを貫くのか、それとも2010年南アフリカW杯のように守備重視の戦術でいくのか。9月・10月の4試合が日本代表にとって分岐点になるのは間違いない。

 背番号4はザックジャパンでの影響力も大きい。彼がこの先、どれほど「差を埋められるか」で代表のスタイルも変わる。短期間でどれだけの進化を遂げることが出来るのか。有言実行の男に期待したい。

【了】

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