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日本代表 11年前

柿谷曜一朗が語るザックジャパンに“化学変化を起こせる”自信。期待の新星は代表の救世主となれるか?

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「プレーを続けていけば絶対に合うようになる」

 これまで2年半、主力組でプレーしてきた前田遼一は本田や香川らの特徴を熟知しているから、生かし生かしあうことが自然とできる。後発FWの柿谷は連携面でどうしても出遅れている。

 こうしたマイナス面を感じさせないほどの強烈なインパクトを残さないといけないのだが、今の彼はチーム戦術を守ろうとしすぎて、本来の凄みを出しきれていない。前線でのボールタッチが著しく少なかったのもその象徴だろう。

「自分がクサビを受けに行ったらバイタルが狭くなるから、僕は基本的に圭佑君のスペースを空けるようにしていた。クサビを受けへんようにしていたんですよ」と本人は気を配りながらプレーしていたことを明かす。

「それでボールに絡む回数は極端に減りますけど、その後の動き出し次第でパスも出てきた。そこがもっと合うようになればいいかなと思いますね。プレーを続けていけば絶対に合うようになる。だからもっと一緒に練習したい」と柿谷はとにかく先を見ることに集中していた。

 6月のコンフェデレーションズカップから大量失点を繰り返している主力メンバーが「高い位置で奪いに行く守備を続けるべきか、引いて守るべきか」というチームの成否を左右する重要課題に苦慮する傍らで、柿谷ら新戦力がチームへの順応に頭を悩ませる現状は、やはり大きなギャップがあると言わざるを得ない。

 ただ、ここまで固定メンバーで戦い続けてきたザックジャパンに大胆な化学変化を起こしたいなら、彼のようなイキのいい人材を取り込むことは必要不可欠だ。

 柿谷が本田や香川と同レベルの戦術理解に達し、チームに対する責任感を持てた時、日本代表は本当に強いチームになる。彼の持つ果てしない可能性は、そのまま日本代表の可能性となる。そう言っても過言ではないだろう。

【了】

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