「俺は勝てればいい」
「俺は4年前のアフリカで外されたけど、あれで勝てるなら全然いい。うまく攻めたいとか、日本らしいサッカーがしたいとか分かるけど、しっかり守る時間帯は絶対に必要だと思う。
南アのやり方じゃサッカーが進歩しないって考え方もおかしいよね。俺は勝てればいいし、進歩がどうのこうのって選手はあんまり考えてない。日本サッカーを進歩させたいなら、やっぱり勝たないとね。
俺らのレベルってドイツの人たちから見れば『日本?』くらいなもんだし、日本でサッカー見ている人とドイツでやっている俺らの日本サッカーに対する意識はやっぱり差がある。
正直、俺らはそんなに強くない。そこをもう1回ちゃんと見つめて守備をしっかりやらないと…」と彼は言う。常勝軍団・鹿島で育ち、シャルケでCLベスト4というハイレベルの領域を経験した選手らしく、内田は勝つことを最優先に考えているのだ。
日本代表の中にはボールポゼッションを重視し、攻め切って勝つことにこだわる者も少なくない。とりわけ攻撃陣にはそういう考えが根強い。彼らと意思統一を図り、チームの方向性をすり合わせていくことが肝要だ。南ア経験者だからこそ「今こそ一枚岩にならなければいけない」と彼は言う。
「一番大事なのはチームがバラバラになるのを避けないといけないってこと。ブラジルまでの残り試合を数えたらテストできる機会はわずかしかない。どうしたら南アの上を目指せるかをみんなで考えるべきですよね」
9月のグアテマラ戦、ガーナ戦の2連戦は内田が強調する「意思統一」という意味でも極めて重要なシリーズとなる。ここで守備の再構築を図れるか否か。ザックジャパンは今、まさに正念場に立たされている。
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