CL制覇は「低くはない確率」
――迷うことなく快諾と仰られましたが、現実には、“あのモウリーニョ”の後任なのですから、おそらくは幾ばくかの躊躇のようなものがあったとも思うのですが。
「その問いに対する直接的な答えを私がここで述べるべきではないのだろう。言えるのは、ジョゼは実に素晴らしい仕事をここマドリーでも成し遂げ、しかもそれ(リーガ制覇)をあの世界最強、いやおそらくは史上最強とも言うべきバルサを相手に成し遂げて見せた。
これはジョゼだからこそ成し得た快挙と言えるのではないか。だが、そのジョゼをもってしてもレアルは欧州(CL)を獲るには至らなかった。もはや“10度目(のCL制覇)”が半ば脅迫観念的に覆うこのマドリーの街では、やはりファンの関心はどうしてもリーガのみならずCLに向かう。
しかし、それでも私はあくまでも一日一日の仕事の積み重ねのみに集中していく。当たり前のことだが、結果とは重ねた努力の賜物でしかないからだ。
明日以降の我々が積み重ねていく仕事が正しければ、そしてその仕事の質と量で他を凌駕できるとすれば、結果として、決して低くはない確率でレアルは10年越し(01-02シーズン以来)の欧州制覇を成し得るのかもしれない」
レアル・マドリーでの監督生活を“夢”と語ったアンチェロッティ。リーガエスパニョーラ開幕戦を勝利で飾り、まずは順調なスタートを切った。果たして、CL制覇、そしてバルサ撃破へどのような青写真を描いているのか? また近年の戦術のトレンドである“最終ラインからのゲームの組み立て”をどうとらえているのか?
インタビューの最後では、“レアル入り”のきっかけとなった最初の電話の主をミスター自らが明かしている。続きは『欧州サッカー批評08』でお楽しみください。