代表における課題だった起点としての機能
細貝の真骨頂と言えるのが、ボールを奪ったところからの攻撃の起点としての役割だが、その意識も高まっている。マイボールにしたところから、単に味方に預ける、あるいは一か八か前にボールを蹴るといった選択はほとんど見られず、必要ならばボールをキープして味方の動き出しを促すスタンスが見て取れる。
33分には自陣でルステンベルガーと相手を挟み込み、ボールを奪ったところから、奪い返しに来たマクの当たりを背中でブロック。そこからシュタルクのタックルも左にかわして、センターサークルまでボールを運び、シュタルクにチャージされながらも、右サイドを駆け上がるペカリクにパスを通した。
そこから右前方に流れたバウムヨハンの惜しいクロスに結び付いたのだが、カウンターから4人がアタッキングサードまで進出したのも、細貝がしっかり時間を作りながら、流れの中で生じたスペースを有効活用して起点となったからだ。
日本代表でポジションを確保するための大きな課題として、ボールを奪った後のパスをあげていた細貝。奇しくもウルグアイ戦のあとに、本田圭佑があげた問題点と一致するが、ヘルタ・ベルリンで彼が見せている起点のプレーは日本代表でも強く求められるものだ。
そのウルグアイ戦に向けた招集レターを受けながら、今はヘルタ・ベルリンでしっかりベースを作りたいという意志を、協会サイドに表明したと伝えられる細貝。ここから判断の精度やボランチとしての実戦感覚をさらに高めていく必要はあるが、ヘルタ・ベルリンの躍進、そして来年のW杯に向けた成長のビジョンはすでに示している。
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