攻撃面で改善が見える細貝
開幕戦は上位候補のフランクフルトに6-1と大勝し、順風満帆の滑り出しを見せたヘルタ・ベルリン。その中でも3得点に絡むなど、攻守に渡り効いていたのが、本職のボランチでルフカイ監督から全幅の信頼を受ける細貝萌だ。
激戦の末、日本代表の同胞でもある清武弘嗣の鮮やかな直接FKで2-2の引分けに終わったニュルンベルク戦でも、持ち前のボール奪取力や的確なカバーリングに加え、攻撃面でも随所に存在感を示した。
その姿勢は日本代表においても細貝が理想とするボランチ像、そして名門レバークーゼンを出てまでボランチでの出場にこだわった理由にもつながっているのではないか。
開幕戦に続き、ニュルンベルク戦で細貝が見せた攻撃面のポイントをまとめてみた。
もともと長短のパスの正確性には定評があったが、守備のリスクを管理しようとする意識が強く、周囲の味方に出しっぱなしという場面が多かった。しかし、この2試合は柔軟なポジショニングで味方のパスを引き出し、受けて出したら、またポジションを移動して受け手になる、といった連続的な動きで組み立ての主体になろうとしているのが分かる。
また21分にベン・ハティラのダイレクトパスから、アラギが決定的なシュートを打ちかけた場面では、相手のミスパスを拾ったルステンベルガーに強いアピールでボールを引き出し、技巧的な浮き球の縦パスを走り込むベン・ハティラに通している。
高い守備意識はそのままに、攻撃の局面において組み立てでも、チャンスメークでも参加できるところで受け身ではなく、自分から能動的に絡んで行こうという姿勢の強さがうかがえる。