近年の代表では日本が圧倒
では、サッカー選手としての韓国人選手の価値の面ではどうか。フィジカルで勝負する韓国人選手に比べて、テクニックが優れた日本人選手はヨーロッパのスタイルに合うという見方もできるからだ。
「コンフェデレーションズカップのイタリア戦のときに多くの韓国サッカーファンが感じたように、日本のパスサッカーのレベルは非常に高いです。しかし、パスサッカーの最高峰と言えるスペインのリーグに挑戦し、成功した日本人選手はいません。
中村俊輔や家長昭博も大きな活躍は見せられませんでした。ブンデスリーガで日本人選手のイメージが良いことは間違いないですが、やはりヨーロッパで通用するかどうかは、個々人にかかっています」
欧州組の人数に表れているほど日本と韓国に大差はないと分析するソ氏。しかし、代表レベルにおいては、「韓国はこのままでは良くない」と言う。2010年の南アフリカ・ワールドカップ以降、日本と韓国の対戦成績は、日本の3勝1分。8月のFIFAランキングにおいても、日本37位、韓国56位と差が生じている。
「日本代表はザッケローニ監督を中心に一つの目標に向かって、長い期間準備しているという印象があります。対する韓国は、その期間で3人も監督が変わっているので、その点を考慮すれば、まだ勝負付けが済んだとは言えないでしょう。
ただ、韓国国内でもJリーグの優秀なシステムは高く評価されていて、時が経つほどに両国の差は開くのではと考えられています」
ホン・ミョンボ監督率いる韓国代表は8月14日、ペルーとの親善試合をスコアレスドローで終えた。ホン監督は就任以降、未だ勝ち星がないが、一方で、一度も欧州組を招集していないことも事実だ。ソン・フンミン、キ・ソンヨンら、欧州組は韓国代表の救世主となれるだろうか。日韓の今後を占う意味でも、韓国人選手の欧州組に注目してみたい。
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