無視できない兵役・移籍金問題
韓国人選手にとっても、ヨーロッパ移籍は大きな目標の一つ。しかし韓国人選手がヨーロッパの前にワンクッションを置こうと考えるのは、韓国特有の問題が影響しているという。
「韓国人選手は兵役問題を解決して、ヨーロッパに進出したいと考えている選手が多い。というのも、兵役の義務のある選手が23、24歳でヨーロッパに進出して、チームで認められるようになったとしても、一番いい時期と言える27、28歳のときに韓国に戻らなくてはならないからです。
韓国代表のキム・シヌク(蔚山現代)などは、軍役問題があるため、海外進出を思いとどまっていると言えます」
また、韓国の欧州組が少ない理由として、ソ氏は「Kリーグのクラブは移籍金をなるべく上げようとする傾向がある」と指摘する。
「香川真司がセレッソ大阪からドルトムントに移籍したとき、移籍金は4000万円前後と聞いています。それに比べて、KリーグのFCソウルは、2009年にイ・チョンヨン、キ・ソンヨンをヨーロッパに送って、60億ウォン(約5億2000万円)を得ています。
パク・チソン、イ・ヨンピョらがヨーロッパで結果を出したことで、韓国人選手への関心が高かった時期もありましたが、移籍金問題で交渉が決裂したケースも少なくない。選手が原因でないことも多いのです」
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