ベルデニック監督、最後のあいさつ
そして一方の当事者であるベルデニック氏は現在どのような心境なのだろうか。
実は16日の練習前、ベルデニック氏は選手にお別れの挨拶に来た。そこでこう語った。
「人生は出会いもあれば別れもある。自分が去年就任したのが6月1日で今日が8月16日、約1年とちょっとの間で、降格争いの中で残留できたことが一番良かったことです。今年に入って首位争いもあったりなど、自分の中ではすごくいい思い出です。
そのいい思い出をスロベニアに持ち帰りたい。あとチームもそうだが、選手一人ひとりが成長してくれたのが、何よりも嬉しい」
そう語り終えると、選手一人ひとりと握手を交わしクラブハウスを後にした。
監督と選手に一体感が持てた。だが監督と強化部を含めたフロントは、それを持つことができなかった。
大宮のクラブハウスには毎日のように練習から応援している熱心なサポーター達がいる。最後にその人達の声を上げておきたい。
「クラブの方向性が全く見えてこない」「来年も同じことが起こらないでほしい」「サポーターにちゃんと説明してほしい」「試合に勝って払拭するしかない」……ノヴァの言葉を借りるなら、選手も試されているのが、最も試されているのはクラブである。大宮のビッグクラブへの生みの苦しみは、まだまだ続きそうである。
【了】