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日韓サッカー、そして旭日旗を考える。

text by 宮崎隆司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography 構成 編集部

旭日旗の持つ真の意味

 そして第2に、挙げるべきは『旭日旗』への批判である。

 明確に、日本人として絶対に受け入れられぬと述べておく。無論、それはなにも韓国だけに申すのではなく、どこの国であろうと同じだ。我が国の「準国旗」にとやかく言われる筋合いはない。
 
 先に述べたように、私は歴史家ではないため「この旗」に刻まれた史実の詳細は書かないが、それでも次のようには言える。「触れてはならぬものに触れてはならぬのです」、と。

 われわれ日本人にとってあの旗が持つ真の意味とは、他国の方々に理解し得る類いのものではない。なぜならばそれはまさに日本人の「こころ」の奥深くに流れる静謐なる精神性と一体であるからだ。そして今この瞬間も命をかけて任務に就いておられる方々にとって大切な大切な旗であるからだ。人の「こころ」に土足で踏み入るようなことはやるべきではない。

 そのことを強く認識するからこそ、われわれ日本人は、対アメリカには実に複雑な感情を抱きながらも、決してそれを口にしたり、ましてや「横断幕」に書くようなことは絶対にしないのである。

 そのことを強く認識するからこそ、われわれ日本人は、例えば60年代のベトナムで何があったかを克明に知りながらも、それには敢えて触れずにきた。礼節を弁え、触れてはならぬものを知り、和を以て貴しとなす。これが真の日本人であるからだ。
 
 もちろん、ここで「触れずにきた」というのは政治や学会などの歴史論争の場を指すのではなく、あくまでもスポーツの現場における話である。サッカーのみならず WBCでもそう。スタジアムで日本人が政治的メッセージを掲げたという例を私は寡聞にして知らない。

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