目も当てられない酷い守備陣
問題なのは守備陣だ。
ホームで4失点という結果で明らかだが、あまりに悪すぎる。チャンスの数はそう多くないが、確実に決められた。
スアレス、フォルランは簡単に止められる選手ではないが、そこは試合前からわかっていたこと。まったく無警戒だったのではないかと思えほど、無力だった。特に吉田麻也は酷い出来で、一対一はほとんど勝てず、スピードはなく、ラインの攻防でも後手に回った。
センターバックは守備を支える大事なポジションだ。そこに弱点を抱えているようでは強豪国と戦えない。吉田は高さがあり、パス出しも悪くない選手だ。ザックジャパンのスタイルである“高いライン設定”で戦うために適した選手だが、一流の選手とは戦えないことが改めて明らかになった(コンフェデで証明済みとも言えるが)。
解決策は吉田を他の選手に替えるか、スタイルの変更。今日は伊野波雅彦を投入したが、“吉田よりはいい”というレベルで、上々とは言えない。森重真人は試して欲しかったが、出番なし。2人以上のプレーを出来る保証もない。
W杯までの期限を考えると、スタイルの変更が妥当ではないかと思う。攻撃陣がスペインのようにパスをつなげるわけでもない状況でこのスタイルを貫くには自殺行為だ。幸い、柿谷というカウンターで活きる選手も台頭してきた(香川、岡崎ももちろん活きる)。
また、対人に強い、例えば闘莉王のような選手を使えば、今野泰幸をアンカーとして使える。守備はずっと安定するだろう。
もちろん“個の力”を伸ばす努力は選手それぞれが精一杯するべきだ。しかし、それがどれだけ伸びるかを見極めるのが監督の役目だ。あと1年未満で全員がブラジルやスペインのような選手たちに追いつける可能性はかなり低い。
スタイルを変えたからといって、これまでザッケローニ監督が積み上げてきたものが消えるわけではない。今日は大ブーイングを浴びても不思議ではない出来だった。コンフェデでの課題をまるで改善されていない現状を重く受け止めるべきだ。