フィオレンティーナとも問題を起こしたミラン
これは、フィオレンティーナの例を見れば分かる。本田と同時並行でミランはリャイッチへの獲得オファーを出したが、彼らも反発をした。「とうてい受け入れられるものではなく、しかも遅きに逸し不適当だ」と彼らが公式HP上で怒りのメッセージを掲げたが、その理由は800万ユーロという低額の移籍金オファーだけではない。
残り1年という契約期間と約70万ユーロという年俸の安さにつけ込み、ミランは年間200万ユーロを水面下で提示。その一方でフィオレンティーナは契約延長を選手から渋られており、その原因をミランが作ったとばかりに非難したのだ。
ただ、表に出てこなければ陰謀論の類いだ。「遅い、不適当だとか、なんでそんな言われ方をされなければならんのかね」とガッリアーニは不敵に笑っていた。少々きな臭いが、これもまた移籍交渉の現実である。
その後フィオレンティーナは、なんとかリャイッチとの関係を修復し契約延長に乗せつつある。一方でCSKAは、本田が移籍を希望し契約延長に応じなかったという『弱み』を抱えている。
ミランにナメた言い方をされるのも、「大事な選手だというなら、なんで契約を延長しなかったのか」と足下を見られているからだ。ギネル会長が理由を次々と変えて態度を硬化させているのも、逆に言えばそれだけ追いつめられているということなのかもしれない。
とはいえ、追いつめた先に交渉を断たれては元も子もない。ガッリアーニが駆け引きに興じ、メディアを煽る間に時間はなくなってきている。CLプレーオフまであと8日、果たしてことは動くのか。
【了】