「キヨくんとまたやれるのは凄く楽しみ」
泰然自若。筆者の山口に対する印象はこの言葉がピタリと当てはまる。落ち着き払って状況を受け入れ、一つひとつを咀嚼して前へ進む。リーグ戦の連敗後に発した、「今のチームには真のリーダーがいない」といったレヴィー・クルピ監督の言葉に対して、「螢がドンと構えて、リーダーシップを発揮したらいいと思いますね」と柿谷曜一朗は話していたが、頷ける頼もしさがある。
そんな彼がお茶目になる瞬間がある。元チームメートの清武弘嗣の話題になる時だ。ウルグアイ戦の発表前に、「またキヨくんと一緒にプレー出来るといいね」と話しかけると、フッと柔らかい笑みを浮かべ、「そうですね」と短く答えた。
9日の囲み取材でも、「キヨくんとまたやれるのは凄く楽しみ。(清武が)ドイツへ行ってからは、向こうが休みの日に帰って来た時の短い時間しか会えなかったけど、今回は代表で久々に(長めに)会える。それに一緒にプレー出来るのは楽しみ」と“代表”での再会を待ちわびている様子だった。
確かなボール奪取力とスペースを埋める危機管理能力に加え、東アジア杯では発揮し切れなかった前線へと駆け上がる攻撃力。豊富な運動量をベースに多彩な武器を備える山口。安定したメンタルは先に述べた通り。
ブラジルW杯まで10ヶ月。本人が「学ぶべき存在」と話す長谷部や、今回は召集されていない細貝らの牙城を崩して、フル代表へ定着することが出来るか。そのチャレンジから、目が離せない。
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