「何よりクラブで結果を残すことが大事」
国内組で挑んだ東アジア杯に山口は選出された。ロンドン五輪から1年。ついにA代表への扉が開かれたのだ。
ただしこの時も、「今回は海外組もいない。喜んでばかりもいられない。しっかり結果を残して、次にフルメンバーが揃った時にも選ばれるようにならないと。そうなれば、本当のA代表だと思う」と、表情を高揚させることなく話した。
大会では全3試合で起用され、MVPにも選ばれたが、帰国後、C大阪での初練習を終えたあとの大会総括では、「MVPは嬉しい反面、恥ずかしい。それに韓国戦では日本のサッカーが全然出来なかった。だから、優勝も嬉しさ半分、悔しさ半分、といった感じ。
自分自身もアピールし切れたとは言えない。チームコンセプトもあるので、自分を抑えてプレーした部分もある。個人的には監督とはほとんど喋っていないので、監督が自分をどう思っているのかは分からない」と代表選出時と同様、極めて冷静に話した。
そして、「何よりクラブで結果を残すことが大事。チームでの結果が付いてこないと、代表にも呼ばれない」と地に足のついたコメントを残した。普段のリーグ戦と同様、フル代表という最高峰の舞台を経験してなお、メンタルの浮き沈みを感じさせず、一定の心理状態を保っていた。
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