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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。衰えた“怪物”ロナウドはなぜ月収9000万円の契約を結べたのか?

2002年のW杯でブラジルの優勝に貢献したロナウド。“怪物”と呼ばれたFWには面白いエピソードが山ほどある。その1つが契約金だ。ピークを過ぎ、母国に帰ってからも破格の契約を結んでいる。それはなぜなのか?

トリックスターだったロナウド

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【写真:田崎健太】

 トリックスターという言葉がある。詐欺師の意味で使われることもあるが、本来は、神話や民話で人間に知恵や道具をもたらす一方、社会の秩序を紊乱する悪戯者を指す。この悪戯者――トリックスターが、しばしば新たな時代の幕を開ける。

 ようこそ、ブラジルフッチボールの新時代へ――。

 2008年、ブラジルのコリンチャンスへ移籍した、ブラジル史上最高のストライカー、“フェノメノ(怪物)”ことロナウドはまさにトリックスターだった。

 ロナウドこと、ロナウド・ルイス・ナザリオ・ジ・リマは76年9月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで生まれた。16才の時、ミナス・ジェライス州のクルゼイロとプロ契約、ブラジル全国選手権に出場し、頭角を現す。

 1年後の1994年にオランダのPSVアイントホーフェンに移籍、96年にスペインのFCバルセロナに移った。インテルミラノ、レアル・マドリー、ACミランでプレーし、国際サッカー連盟選出の世界最優秀選手に三度選ばれている。

 ブラジル代表――セレソンには94年、17才で選ばれている。この年アメリカで行われたW杯のメンバーにも入った。これはセレソンがしばしば取る手法で、将来中心選手となる若手選手にW杯の雰囲気を経験させ、次の大会に繋げるというものだ。

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