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グアルディオラ新監督率いる新生・バイエルン。そのスタイルが故に生じる“付け入る隙”とは?

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

チームの構造上、リスクはついて回る

 もう1つバイエルンにとって失点の温床となりうるのが、オウンゴールに結び付いた展開だ。

 GKから左センターバックのドミンゲス、左サイドバックのダエムスと渡り、左ワイドのアランゴへのシンプルな縦パスから、GKとディフェンスラインの間に入れられたクロスを、戻りながらクリアしようとしたダンテが自分たちのゴールに蹴り入れてしまった。

 失点の瞬間だけ見れば、DFとGKの対応ミスという、開幕戦でありがちなパターンではある。ただ、中央に寄りがちなバイエルンはゲームの主導権を握っていても、サイドライン際を使ったシンプルな展開で、簡単にボールを運ばれやすいことを先の対戦相手に示してしまった。

 グアルディオラ監督は次節に向け守備の組織をさらに整備するはずだが、彼らのチームの構造上、こうしたリスクは付いて回るだろう。

 タレント力で他チームを大きく上回るバイエルンは、グアルディオラの戦術を得てさらに相手を圧倒する戦い方を身に付けつつある。

 しかし、だからこそ生じる隙もあるのであり、対戦相手はあの手この手で王者を困らせることが、少しでも長くブンデスリーガのタイトルレースを引きのばすことにつながるはず。願わくばバイエルンの強さとライバルたちの奮闘、その両方のせめぎ合いを終盤まで楽しみたいものだ。

【了】

バルセロナが最強なのは必然である グアルディオラが受け継いだ戦術フィロソフィー

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