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長友佑都 11年前

今季もレギュラー起用が濃厚。インテル新監督マッツァーリはなぜ長友佑都を信頼しているのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

長友の高いユーティリティ性とは?

長友佑都
長友は練習試合で右SBとしてもプレイ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 これは、マッツァーリ監督の練習を経て、急速に向上が見られた部分である。7月の合宿当初の練習試合ではポジショニングも深めでリズムも悪く、「まだ昨シーズンの感じでやっている節がある」と指摘されていた。それから3週間後の今は、逆サイドでも流麗な連係が取れている。戦術そのものへの理解が深まっている証拠である。

 さらに、長友はこの2試合で4バックの右SBとしてもプレイさせられていた。チェルシー戦ではカンパニャーロの退場により、またバレンシア戦では相手のサイドアタッカーに対応するためにシステムを変えたものだが、その際に長友のユーティリティを利用した。

 実際チェルシー戦ではフル出場、バレンシア戦でもフル出場者を除いた先発メンバーの中では一番遅く75分まで引っ張られて使われていたから、守備能力と戦術の対応力に対する信用も生まれてきているのだろう。

 指揮官は「3バックは基本だが、試合中は状況にあわせて変更する。ナポリでもそうしてきた」と断言している。その意味でもサイドバックもウイングバックもこなせる長友は、信頼を受けている。

 限られた戦力を使って組織力を高めつつ、潜在能力を引き出すのが巧いマッツァーリ監督。最大マイナス15というペナルティを跳ね返してレッジーナを残留させ、若手ばかりのナポリを一流に育て上げた知将の元で、今度は長友が伸びる。その期待感は、十分にある。

【了】

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