CSKAモスクワの“前科”
当然CSKAは正当に本田と契約を結んでいるし、高い年俸も払っている。契約を延長しない本田を主力として使う彼らは良心的とも言える。「(500万ユーロは)高めだが、移籍金を要求する権利がCSKAには正当にある」とガッリアーニは語る。ただ最初から言い値に従ってしまうと、酷い吊り上げが始まる場合もある。CSKAにはその前科がある。
3年前、ユベントスがクラシッチ(現フェネルバフチェ)を獲得しようとした時のことだ。まず選手から合意を得て、クラブに1200万程の移籍金を提示したところ、「1500万で」と言われる。
それでもチームの目玉補強と考え、マロッタGMがその通りの額を準備してモスクワに乗り込んだところ、「他のところからオファーが来そうなので1800万で」と吊り上げられたのだ。
「ウチが最初に話をしたのにどういうことだ。吊り上げには乗らない」 とマロッタは憤慨。CSKAは移籍話をマンチェスター・シティへ回そうとするが、ユーベを希望するクラシッチは拒否。
交渉は2ヶ月のすったもんだを経て1500万の移籍金で決着した。それでも分割払いを呑まされたことがCSKAには面白くなかったらしく、1年半後にラツィオと本田がそのとばっちりを受ける事になる。
今回、CSKA側がミランに対し色々と理由を変えて交渉を拒否しているのも、「結局は吊り上げ目的ではないか」という見方がイタリアメディアの間では支配的だ。ともかく、妥結点は見つかるのか。
CLプレーオフのメンバー提出期限の関係で、「リミットは15日」と報道されているが、「CL出場が決まれば9月2日まで本田獲得交渉を引っ張る模様」と報じる新聞もある。まだまだ波乱はありそうだが、推移を見守るしかない。
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