ラウールが入れば優勝候補?
北 最後のところの崩しのイメージもあまり見えてこないですよね。FC東京の得点パターンって、パッと思い浮かばない。昨シーズンの得点数はトップがルーカスの10点、2位が渡辺とヴチチェヴィッチの6点でした。
清水 広島とかはフィニッシュのイメージがメチャクチャ明確なんですよね。佐藤寿人に合わせるならココ! というポイントがあって、それをチーム全体で狙う。ニアサイドへのクロス、GKとDFの間の速いボール、まず間違いなく頭の上を狙ったボールは蹴らない。
田中 鹿島戦でも左サイドを石川がドリブルで縦突破してグラウンダーのクロスを入れたのに、渡辺は足元でもらおうとして合わなかったというシーンがありましたね。渡辺は石川が持った時点で縦突破を予想して入って行かなければいけなかったし、石川としても渡辺はパワーシューターなんだから深くえぐってから足元に出してあげてもよかった。
北 お互いの個性を引き出し合うというか。
清水 ゴール前ってスペースも狭くて人も多くて時間もないので、ある程度オートマティズムなコンビネーションが必要になるんですよね。それこそ、中を見ないでクロスを上げても合っちゃうみたいな。そのためには、お互いの動きを察していないといけない。
北 FC東京のサッカーって、ボールは回しているんだけど、中央を崩すというよりは最終的にはサイドから攻めるという点では、マンチェスター・ユナイテッドに近いのかなと思うんです。ただ、それは絶対的なストライカーみたいなのがいて成立するものなのかなと。
清水 そうなんですよ。今シーズンだってファン・ペルシーとかルーニーのようなストライカーがいなかったら、マンチェスター・Uはあんなに勝てていない。
田中 ということは、ラウールを獲ろうとしていたのは間違いじゃないんだ。
清水 確かに(笑)。ラウールだったら佐藤寿人みたいな点の取り方もできるでしょうしね。