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Jリーグ 11年前

[座談会]他クラブ記者が斬る!! FC東京攻略法 青赤のウィークポイントを徹底スカウティング【後編】

text by 北健一郎 photo by Kenzaburo Matsuoka

本当に「よく走る」チームなのか?

 攻撃面についてはどうですか? 今シーズンの攻撃陣は1トップに渡辺千真(ルーカス)、左サイドにルーカス、トップ下に東慶悟(ヴチチェヴィッチ)、右サイドに石川直宏といったところが予想されますが。

清水 最初のほうでも話しましたが、パサーがいないなという印象ですね。ルーカスをトップ下に置いたとしても、そこまでパスがうまいわけじゃない。例えば、石川なんかが中央からナナメに走っていく動きをよくするんですけど、そこにパスを出せるのが梶山しかいなかったんですよ。東にそれができるかというと……。

田中 ちょっと違う感じかなぁ。

 FC東京のポゼッションサッカーはライバルクラブから見ると、どんな印象なんでしょうか。

清水 FC東京って「よく走る」っていう漠然としたイメージがあるかもしれないけど、攻撃の場面で止まることが少なくない。崩すイメージがないまま、ボールを回すときも、足元、足元という場面が多いですよね。

田中 例えば、サイドでボールを奪った瞬間、FWの前方にスペースがあるとするじゃないですか。そういうとき、FC東京のFWは体力的なものを考慮しているのか、動き出しが少ない。縦のスペースにガンガン入って来るのは長谷川とか石川とか中盤の選手です。だから守る側としては、一拍おいて対応できる。結果、ボールを持たれても、あんまり怖さは感じなくなってしまった。

清水 日本人らしい選手が多いですよね。ボールを持ったらまずサイドを見ちゃうっていう。中央にボールを置けば選択肢が広がるのに、怖いからできない。東京だけじゃないんですけど。

 サイドにパスを出すフリをしておいて、クサビを入れたりするっていう駆け引きは少ないですよね。

清水 サイドは常に安全に出せるんだから、その選択肢をキープしておきながら、チャンスがあれば中央の“美味しい”スペースを狙うっていう習慣がほしいですよ。

 一人ひとりがあまりボールを持ち過ぎずに、2タッチぐらいでポンポンとさばくので、パス回しのリズムは悪くないんだけど、スイッチが入るところがあまりない。メリハリなくボールを回してしまう。これはポゼッションサッカーをやろうとしている日本のチームにありがちな傾向ですよね。

清水 前からのプレッシングにも共通するんですけど、どこで走るかっていうところだと思うんですよ。前から行くんだったらもっと行ききらないといけないし、点を取りに行きたいんだったら、もっと危険なところに入って行かなきゃいけない。肝心なところで休んじゃう感じがありますね。

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