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大物加入は逆にプラスに? マンUの補強戦略から読む新シーズンのスタイルと香川の使い方

text by 内藤秀明 photo by Asuka Kudo / Football Channel

ルーニーが残留して、セスクが加入した場合

 この場合、セスクはスコールズのポジションにそのままおさまることになるだろう。何故ならモイーズはルーニーをトップ下で使う可能性が高いからだ。

 というのも、そもそもマンチェスター・ユナイテッドのデイヴィッド・モイーズ監督は、基本的には典型的な英国フットボールを志向する監督だ。英国的フットボールというのは、サイドからのクロスでペナルティーエリアに侵入。それを流し込むのが典型的な得点パターンだ。

 そのサイド攻撃において、センターフォワードやトップ下に求められるプレーは、中央でボールをおさめて、サイドに展開しつつ、ペナルティーエリアに走り込んでゴールを決めることが求められる。それをほぼ完璧にこなすことが出来るウェイン・ルーニーは理想の英国的ストライカーだと言える。

 もし、ルーニーが残留し、モイーズが今まで通りの英国的フットボールを志向するのであれば、ルーニーがそのポジションに収まる可能性が高い。とはいえ、英国的フットボール一辺倒では、欧州の大会で勝てないのはわかっているだろう。

 そこで、セスクをセントラルMFで起用し、低い位置から試合を作らせる。また、サイドでの攻撃が手詰まりになった時のアクセントとして、左サイドハーフから中に絞った香川とうまく絡ませながら、中央からの侵入も目指すことになるだろう。

 これは昨シーズンのファーガソン監督が目指したフットボールであり、セスクがいればその完成度は上がり、ややポゼッションよりの内容になるだろう。

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