「90分間を通して波がない」
この「癖」について、FC東京のランコ・ポポヴィッチ監督は以下のように指摘する。
「(対CEサバデル戦の)試合で主導権を握っていたのはウチ(FC東京)だったと思います。みなさんがお気づきになったかどうかはわかりませんけれども、1-0になったあと、そこで気を抜いてリラックスしたところがウチの選手にありました。この試合はいけるな、と。
そこでボールを奪ったときに判断が遅くなって、余裕を持ちすぎて怠慢なプレーにつながってしまった。そして同点に追いつかれてナーバスになる。
再びやる気を出そうとしても、試合中に切ったスイッチは元通りにならない。前半にやるべきことをやりきっていれば3-0で勝てました。3-0になっていれば、そのリードを守りながら、キープしながら戦うことができます――それはもちろん、隙を見せるということじゃない。
前半、サバデルは粘り強く、我慢強くプレーしました。後半に関しては彼らにもチャンスがありました。彼らはじょじょに自分たちの力を発揮した。ある意味、90分間を通して波がない。コンスタントに自分たちの力を発揮した。それがウチにとって必要なことです。90分間を通して自分たちの力を出すということ。
リーグ戦に関しても70分、80分間は自分たちのプレーをして、それができない残りの時間が集中力を欠いた時間帯となり、そういうところを狙われている」
ポポヴィッチ監督は対サバデル戦後の記者会見で「少しでも隙を見せたり、緩めたりしたら、ヨーロッパのチームは必ず得点につなげてきます」と言った。それに対する処方箋は「いままで以上に集中力を切らさない、気を抜かない隙を見せないということを徹底してやっていきたい」というものだった。
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