理解しがたい韓国サポーターの応援拒否
ハーフタイムになると、横断幕を守っていたかにみえたサポーターがいなくなった。サッカー協会の職員もすでに姿を現していないため、これは黙認ということかと残念に思っていたところで、数人のレッドデビルと思しきサポーターが現れ、幕を剥がし始めた。どうやら職員レベルではない注意か警告により、自主的な判断で掲出をやめたらしい。
筆者はその後になって、韓国サッカー協会の指示で取り下げたこと、そしてそれに対する抗議として後半の応援をやめたことがレッドデビルの公式見解としてネットに流れたことを知った。
応援の拒否まで知らなかったのは、韓国の応援スタイルが日本のようにコールリーダーが指揮して歌を出すのではなく、一般の人たちから自然発生にコールが出てくるためだ。その点で一見試合は後半に関しては平穏に行われたことになる。
しかし、韓国は負けてはならないアジアの盟主をかけたダービーマッチに負けた。選手を奮い立たせるためでもない、試合に一切関係のない政治的なスローガンをあげ、それがダメだと言われれば応援を拒否するのは、いったいサッカーに何を期待しているのか理解不能である。
ピッチの中で走る選手たちとともに戦うのがサポーターのはずだが、彼らはピッチの中に敵を見出してなかった。応援拒否など論外であり、サポーターの哲学からいえば、あれだけ後半押しつづけた試合展開ながら試合を決める1点を入れることができず、ロスタイムの柿谷の決勝点を許したのは、ピッチ外の出来事で応援を放棄し、本当に必要なメッセージを選手に力強く伝えることのできなかった一部の韓国サポーターの責任だ。
8年ぶりにホームで宿敵日本に敗戦となった試合後、「歴史を忘れた民族に未来はない」とのメッセージを誰がかみしめなければならないかは説明するまでもないだろう。