評価を高めた柿谷と山口
ザッケローニ監督の評価を高めたのは…【写真：Kazhito Yamada / Kaz Photography】
ザッケローニ監督は「早く呼ばれる選手と、もう少し後に呼ばれる選手がいる」と話していたが、すぐに招集されそうなのは柿谷曜一朗と山口螢だと思う。
柿谷は抜群の決定力を示した。急造チームでの2試合3ゴールは、チームメートを選ばないということ。代表にはセレッソ大阪出身の香川真司、清武弘嗣、乾貴士がいて、むしろ柿谷とのコンビネーションも期待できる。もともと1トップは層が薄いので、選出しない理由を探すほうが難しい。
山口は機動力のあるボランチとして長谷部誠と競合できる。フットワークが良くてボールを奪えるしスキルもある。まずは細貝萌、高橋秀人との競争だろうか。
森重真人は引き続き試したい人材だと思うが 、柿谷や山口のように当確とまではいかないかもしれない。青山敏弘は柿谷へのアシストや体を張ったプレーで存在感を示した。ただ、“遠藤枠”があるかどうかは怪しく、ボランチでの招集は山口が優先されると予想する。
高萩洋次郎、原口元気も中国戦に続いて良いプレーをした。コンタクトを厭わないところも国際戦向きだ。しかし、やはり層の厚い2列目に食い込むのは難しいだろう。
運動量と得点感覚で“岡崎枠”の有力候補となった工藤壮人だが、山田大記も安定したプレーぶりで同列に並んだ感がある。さほど急を要しているポジションではないので、今後の経過観察ということになるのではないか。
同様に齋藤学もすぐには呼ばないかもしれない。スーパーサブとして考えているなら既存メンバーへの組み込みを焦る必要はないからだ。
豊田陽平はザッケローニ監督が好きそうな頑強なFWであり、ハーフナー・マイクとは十分競合できるので早めに招集される可能性があると思う。守備もフィードも好印象だった鈴木大輔は柏レイソルでの活躍次第ではないか。
Jリーグを盛り上げ、新戦力も発掘できた。おまけに大会初優勝。有意義な大会だった。
【了】
