複数ポジションをこなす意味
今大会の練習中にはトップ下に入るケースも何度かあった。
「曜一朗はもともとトップ下の選手だと聞いているし、技術と視野の広さを持っているし、裏を突く動きなどセンターFWの特性も持っている。時間が経てば両方できると思う」ザック監督もマルチな才能を高く評価する。
「一番前はもちろん裏をつねに狙う動きを求められていましたけど、トップ下だともう少しパス回しに参加するのも1つの手かなと。あんまり下がりすぎずにやることが大事だと思います。ポジションも複数やれれば使われる可能性が高くなる。自分のプレーの幅も広がるし、いろいろできたほうがいい」と本人もかなり意欲的だ。
こうした攻撃のユーテリィティ性やインテリジェンスを優勝がかかる28日の最終戦・韓国戦では遺憾なく発揮したいところ。とはいえ、25日の第2戦・オーストラリア戦でポジションを争う大迫勇也が2ゴールをマークし、大型FW豊田陽平も体を張ったポストプレーで2アシストを記録しており、柿谷がピッチに立てる保証はない。
先発ではなくジョーカーで起用される可能性もゼロではないが、「他のFWと競争って感じで僕はやってない。出る選手出る選手がしっかり代表としてプレーすれば優勝は見えてくると思っています。韓国戦はいつも激しい試合になるし、今はしっかり勝ちたい気持ちだけですね」とどんな状況も受け入れる覚悟はできている。
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