大きな期待が寄せられていた栗原
2010年10月のザックジャパン発足以来、最終ラインを牽引してきた今野泰幸と吉田麻也の両センターバックが不在となった今回の東アジアカップ。寄せ集め集団ともいえる日本代表守備陣をリードする存在と位置付けられたのが、コンスタントに代表招集されてきた栗原勇蔵だった。
今回の代表メンバー23人のうち、最多キャップ数を誇るのが75試合(中国戦前)のキャプテン・駒野友一で、栗原は2番目の17試合(同)。森重真人や鈴木大輔、千葉和彦ら他のセンターバック要員はみな国際Aマッチ未経験ということで、栗原にはより大きな期待が寄せられた。
「自分もまだまだアピールしなくちゃいけない立場だけど、みんなよりはキャップ数もあるから、伝えることは伝えるつもり。コンフェデと同じ短期決戦で、1失点がすごく大きいから、失点しないようにしないと。
ただ、守備は1人で守るもんじゃないんで、新しい選手とうまく話し合ってやっていかないといけない」と大会に入る直前、本人はこんな意気込みを意欲を口にした。
「栗原選手の新たな一面が見られる大会になるのでは?」との問いには「そうなればいいけど。悪い面が出ないようにしないとね…」と苦笑いしたが、彼なりに燃えているのは確かだった。
ところが、21日の中国戦の開始早々、相手左MFユ・ターバオ(22番)をペナルティエリアで引っ張ってしまい、いきなりPKを献上。栗原は最悪のスタートを余儀なくされる。
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