スローインの重要性とは?
ザッケローニ監督もスローインの有効活用を徹底させなければならないと思ったのだろう。ハーフコートでのゲーム後、セットプレー班とスローイン班に分かれて練習が行われたが、ザッケローニ監督はスローイン班につきっきりで、自分がDF役や動きのお手本を示しながらスローインを叩き込んでいた。
スローインの基本は、できるだけ速く投げることだ。元日本代表監督のオシムは「スローインは投げる側が有利ではない」と話していたことがある。オシムの言う通り、スローイン時はスローワーがピッチの外に出ている分、ピッチ内では数的不利になる。だから、守備を整えられる前に素早くリスタートすることが必要になる。
ただし、すべての場面で素早く投げられるわけではない。味方の動き出しが遅かったり、相手の人数が多かったりするときもある。そのような場面では狙いを持ってスローインをしなければ、みすみす相手にボールを渡すことになってしまう。
昨日の練習でザッケローニ監督は「ハーフラインを超えたあたり」と「ペナルティエリアあたり」の2つのエリアでのスローインのパターン練習を行った。スローインからチャンスを作るには、おとり役となる選手と、パスを受ける選手、そしてスローワーの3人がタイミングと狙いをシンクロさせることが大事になる。
具体的には、ピッチ内の2人がボールに寄っていき、マークを引き寄せる。相手を引きつけたところで、どちらか1人が方向を変えて走り出して、そこへスローワーが投げる。トリックプレーとしては特別なものではないが、イメージを全員が持っておかなければうまくはいかない。
あとは、本番の中で今回やったことをどれだけ出せるか。25日のオーストラリア戦ではボールが外に出た後のリスタートにも注目してみてほしい。
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