ケネディ招集にこだわった理由
今大会に臨むにあたって、オジェック監督は当初12日に予定されていたメンバー発表を突然キャンセル、週明け17日まで先延ばしにした。その理由を協会の広報に尋ねたところ、「特に何も理由は無い。ただ、決まらないだけ」との味気ない返事が戻ってきたのだが、今思えば、ジョッシュ・ケネディの合流を渋る名古屋との交渉が続いていたのだろう。
果たして、発表されたレギュレーションの23名に1人多い24名のメンバーには、当地の報道では「参加はほぼ絶望的」とされていたケネディの名が含まれていた。タイトル獲得のために不可欠なケネディの招集を「諦めない」という強い意思を選出の“強行”でアピールしたが、名古屋もFIFA規則を盾に譲らず、結局、登録期限ギリギリでケネディの名はメンバーから外された。
オジェック監督はこの件には怒り心頭で、「FIFA規則はもちろん理解しているが、大会参加国間には(選手招集に関しての)“紳士協定”があるはず。実際、Jリーグの多くのクラブは韓国代表に選手を出しているのに、なぜ、名古屋はうちに選手を出さないのか理解に苦しむ」との趣旨を豪メディアに語った。
ケネディの選出の可否、それにクラブレス(筆者注:後日、MLSの2チームと本格的な交渉中であることをオジェック監督が明かした)の状態が続いていたキャプテンのルーカス・ニールの取捨以外は、今回のメンバー予想はそれほど難しくはなかった。
というのも、オジェック監督が、7月に入って断続的に行ってきた国内組代表候補合宿の参加メンバーをメインに東アジアカップのメンバーを選出すると早くから示唆していたからだ。
国内組以外で選ばれたのは、先のケネディを除けば、常連のマット・マッカイ(長春亜泰)や、韓国戦でデビューした長身の守備的MFエリック・パァトゥルー(天津泰達)ら中韓でプレーする4名だけ。
発表時点で8名にA代表出場経験が無く、既にA代表デビュー済みのアダム・タガード(ニューカッスル・ジェッツ)など3名のU-20代表の選手も抜擢されるなどフレッシュな顔ぶれとなった。