特別な結果を出す難しさ
しかし、出場したのは後半21分まで。その後、疲労から動きの鈍くなったチームは失点を重ね、快勝で終わるはずのゲームを同点で終えることになってしまった。青山は、これからチームを落ち着ける必要がある場面で、ピッチに立っていなかったことを非常に悔やんでいた。
「A代表でも、ボランチが変わることはほとんどない。とにかく90分やりたかった。70分、保ってないのはありえない。監督の期待に添えなかった」
そう言って時折、悔しそうに口元をゆがめた。
「決してネガティブではないけれど、特別な結果を出すのは難しい」
とはいえ、ザッケローニ監督も「最初の試合が一番難しい」と準備期間がほとんど無いことは、重々承知していた。そのなかで、「集まって3日とは思えない」(青山)という、クオリティを発揮できたことは、選手それぞれの意識の高さを表す。
監督は、このチームでもユニットを組んで練習を積ませており、青山も相方である山口螢を意識しながらプレーしていた。
ザックジャパンに生き残るためには、青山が言うとおり特別な結果が必要だが、そのためには自分を出すだけでなく、まわりを生かすことで初めて自分が輝けることを、選手たちはよく理解している。
だからこそ、中国戦はチームとして機能し、チームとして課題を露呈した。つぎの豪州戦でどこまで上積みできるのか、非常に楽しみである。
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