押し込まれる責任は守備陣だけにあるのか?
日本のDFラインが明らかに下がってきた時間帯は、日本の前線の選手に疲れが出てきてプレッシャーをかけられなくなった時間帯と重なる。ザッケローニ監督は後半20分にボランチの青山敏弘を高橋秀人に代えたが、あの時点で前線の選手は疲れていただけに、フレッシュで動き回れる選手をワントップあるいはトップ下に代えて、プレスの強度を落とさないことを優先させていれば、あそこまで押し込まれなかったかもしれない。
ザッケローニ監督の考え方も理解できる。柿谷と高萩をピッチに残しておけば、得点を狙いにきた中国の裏を突いてカウンターから4点目をとって息の根を止められる。あるいは、「カウンターがあるかもしれない」と相手に思わせておくことで、前に出てくるのを押さえようとしたのだろう。しかし、結果的にはザッケローニ監督が柿谷を引っ張ったことが裏目に出てしまったと言える。
東アジアカップで残り2試合を戦うオーストラリアも韓国も長いボールを入れてくることは予想できる。どのようにして相手の攻撃を食い止めるのか。ザックジャパンの常連メンバーである高橋は言う。
「一番良いのはラインを上げてコンパクトにすることだけど、今日のように疲れちゃったり足が止まってしまうことは起こりうる。コンフェデもそうだったし、強豪国相手だったらなおさら。だから、ペナルティエリアのあたりまで押し込まれるんだけど、最後の最後でやられないという守り方をすることも必要になってくるかもしれない」
オーストラリア戦、韓国戦で日本はDFラインが下がってやられてしまうという問題に解決策を示せるのか。1試合ではなく3試合がある大会だからこそ修正力を見せてもらいたい。
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