3失点目。森重の責任は?
さらに厳しく言えば、セカンドボールをつながれたところで高橋がチョン・チーに詰めより、ワン・ヨンポがフリーになってしまったのだが、ここで森重がチョウ・ヒチョルのマークを栗原に受け渡し、ワン・ヨンポのスペースを消していれば、少なくとも一対一に持ち込むことはできた。こうした瞬間的に状況が切り替わる局面では、組織をベースに個人の判断をしていく必要がある。
その場面以上に森重が「人数は全然足りている中で、何も自分たちがやっていなかったというか、突っ立っていただけだった」と悔やんだ3失点目に関しては、右からのクロスに対し、ファーサイドの槙野と栗原が、合間を突いたスン・ケーに厳しく付けなかったことが直接の原因だ。
しかし、栗原が治療から戻ってきたばかりの状況で、中央に残っていた森重がしっかりディフェンスラインの意思を統率しなければいけなかった。
「最低限の仕事はできたかなと思います」と語る森重は、前からのプレスが甘くなる中で、ロングボール主体の攻撃にもしっかり対応し、全体的にミスや対応の甘さが目立ったディフェンスラインの中では最も個人として強さと安定感を示した。
しかし、より高いレベルを想定するならば、オーストラリア戦と韓国戦では組織をベースにしながら、さらに個人の強さを発揮することが、世界につながっていくはずだ。
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