シーズン後半、リーグで台風の目になる可能性は高い
ゴールにもアシストにも記録されないプレーだ。試合のダイジェスト映像を見ると、彼のあのプレーはカットされている。しかしあそこの位置から相手にスローインにリスタートさせたのは、山本のファインプレーであり、それが貴重な同点弾の伏線になった。中村が言う「マサキが全部下支えしてくれている」というのは、そういう意味なのだろう。
中断明けのナビスコカップ仙台戦からは山本と稲本のダブルボランチで固定されており、お互いの持ち味も生かし始めている関係だ。このコンビには、風間監督も高い評価を惜しまない。
「彼らは非常にクレバーだし、テクニックもあり、1対1の強さもある。真希は90分もの凄く動き回っても問題ない。稲本も、昨シーズンに比べると、120分やっても大丈夫じゃないかと思うぐらいよく動けている。すごく頼れる2人だと思います」
ボランチ(ポルトガル語でハンドル)の名の通り、現在の風間フロンターレは、このダブルボランチがハンドルを握って運転しているのかもしれない。
チームとして噛み合い出し、首位・大宮に逆転勝ち。川崎フロンターレが、シーズン後半の”台風の目”となる可能性は十分にあるだろう。
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