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アジア 11年前

中国サッカーに未来はあるか?(その2)

text by 宇都宮徹壱 photo by Tetsuichi Utsunomiya

トップチームの指揮だけではない岡田武史に期待すること

 他のクラブと比べて予算が少ないと言われる緑城だが、広大なトレーニング施設には人工芝を合わせて10面くらいのコートがあり、さらには学校や宿泊施設も完備し、およそ400人の少年たちが暮らしているのだそうだ。ただし中国の特徴として、優れたハードを作っても、なかなかソフトが追い付かないのが実情である。

 緑城は岡田に対し、トップチームの指揮のみならず、育成システムの構築についての指導も期待している。さらに言えば、岡田を通して日本サッカーの良質なエッセンスを吸収し、いずれは日本サッカーに追いつきたいという野心も透けて見える。それは、鮑副GMの発言からも明らかだ。

「われわれは、2年前から『日本サッカーから学ぼう』という意識を持っていた。そうした意識は、岡田さんが今後、ここで仕事を続ける上でもプラスに働くだろう。そして(育成を重視する)われわれのスタイルが、今後ほかのクラブにも波及していくことを期待したい。そうなることで、中国サッカーのレベルが、これまでにないスピードで日本サッカーに接近していくと信じているからだ。日本との差が縮まることは、私自身の願いでもある」

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