クラブの未来がかかるトップ下の出来
そして本田も、別のポジションで使われる可能性もありそうだ。しばらく前からミラン番の記者の間では、「アレグリは本田をレジスタで使うことも構想している」という噂が立っている。
ピルロよろしく1列下で、組み立ても任せようというのが狙いのようだが、一応指揮官は「本田はトレクアルティスタ(トップ下)」と公の場で語っている。その言葉通りの起用があるのか、それとも驚きのコンバートがあるのか。展開次第では日本代表へのフィードバックに繋がることもあり得るだけに、興味深いところだ。
2トップは、インテルから移籍後復調したパッツィーニが健在で、昨季はフィオレンティーナで繊細な技術を見せつけていたリヤイッチの獲得も予想されているが、ほぼ間違いなくバロテッリとエル・シャラウィで決まりだろう。
昨シーズンの1月末、鳴り物入りでセリエAに復帰したバロテッリは13試合で12ゴールという数字を残した一方、入れ替わるようにエル・シャラウィが沈黙した。イタリア代表でも同じ現象が起ったが、3トップ起用では2者との間に距離が出来て、連係が図りにくくなる。マークを分散し、お互いにゴールが産まれるようになるのが2トップ起用での理想の形だ。
もちろんその場合、彼らを正確なパスで動かし、時にはワンツーを絡めフォローするのはトップ下の役割。ダブルエースを活かすという意味でも、本田にかかるクラブの期待と責任は大きなものになるはずである。
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