本来はキャプテン向きではないが…
駒野を戦術的な指標として位置づけた場合、同サイドで縦のコンビを組む山田や齋藤、クロスに合わせる豊田や大迫がこのベテランの助けを得ながら、彼らの持ち味をしっかり出していけるかは注目ポイントだ。
個の発掘と強化は本大会までに課されたメインテーマではあるが、全体がバラバラでは個が最大限に引き出されない。その意味でも駒野の存在は大きいが、周りの選手も限られた時間の中で彼と良い関係を構築していくことが求められる。
物静かな選手で、本来はキャプテンの柄ではない。しかし、すでに75試合のキャップ数を持つSBは、記者から質問を受ければ的確に試合を振り返り、改善すべきポイントを口にしてきた。
思い返せば最初の合宿で、ザッケローニ監督と“青空談義”をしたのが駒野だった。今回も指揮官の意図をくみ取り、若い選手たちとコミュニケーションを重ねながら、短期間でも意志の疎通をはかっていくはず。
新戦力の台頭が期待される東アジアカップだが、彼らが思う存分、ストロングポイントを発揮するためにも、31歳のベテランが担う役割は重大なのだ。
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