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タイで始まったマンUのアジアツアー。熱狂の裏で起こった反発の理由とは?

マンチェスター・ユナイテッドのプレシーズンツアーが始まった。12年ぶりの訪問となるタイを皮切りに、オーストラリア、日本、香港、スウェーデンで親善試合を行う予定となっている。だが、最初の訪問国ここタイに、日本代表・香川真司の姿はなかった。

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

タイでも抜群の知名度を誇る香川真司と蒼井そら

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軽快な動きを見せていたギグス【写真:長沢正博】

 マンチェスター・ユナイテッドのタイ遠征メンバーが発表された時、私は少し落胆してしまった。そこに香川の名前がなかったからだ。6月に行われたコンフェデレーションズカップに出場した香川は、疲労を考慮して日本でチームと合流することになった。

 タイで香川の知名度はかなり高い。私が出会った多くのタイ人が、私のことを日本人だと知った時に真っ先に口に出す人物の名前が香川だった。その後に続けて上がった名前は“蒼井そら”なのだが。

 ともあれ、異国で大勢の人が日本のサッカー選手の名前を知っていることに、タイでのプレミアリーグ人気の高さと、ある種、サッカーの力のすごさを思い知らされた。

 木曜日の朝、ルーニーら選手たちは駆けつけた大勢のファンやマスコミに囲まれながら、バンコクのスワナブーム空港に到着。モイズ新監督とギグスはその足でタイのプーミポン国王が入院しているシラリート病院へ向かい、チームを代表して国王の早期回復を祈る記帳を行った。

 その日の夕方、翌日とユナイテッドの選手たちはサッカークリニックを開催し、タイのサッカー少年たちと交流を深めた。テレビのニュースや新聞でも彼らの行動が伝えられ、選手たちが滞在するホテルにまで押し掛けたファンもいたという。

 ユナイテッドの他にも、翌週の7月17にはチェルシーが試合を行うほか、リバプール(7月28日)、バルセロナ(8月7日)といったビッグクラブが相次いでタイで試合をする。だが、私の周囲のサッカー好きの間では、これらの試合に「テレビで十分」と冷めた雰囲気も広がっている。

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