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監督退任続いてエバートンを襲った大激震。クラブのブランド価値を維持することの難しさ

モイーズ監督が退任したエバートン。クラブにとって大きな痛手だが、別件でファンの怒りを買う事態を招いてしまった。新エンブレムだ。良かれと思って行ったデザインの刷新だが、反発を招いた背景はどこにあるのか?

text by 永田到

エバートンが新エンブレム発表。しかし…

エバートンが新エンブレム発表

新エンブレムは2013-14のワンシーズン限定ととして使用する

 2013年5月。エバートンFCはわずかひと月にして、クラブを揺るがす2度の激震に見舞われた。1度目は指揮官デビッド・モイーズのマンチェスター・ユナイテッド次期監督就任だ。

 サー・アレックス・ファーガソンの後釜を継ぐ男の現所属クラブとして、エバートンは世界中のサッカーファンから大きな注目を浴びた。そしてメディアによる報道合戦が落ち着きを見せた矢先、エバートンは2度目の激震に見舞われる。

 クラブの公式サイトに掲載された「We are sorry」というお詫び声明。自らの非をむやみに認めない欧米のビジネス文化において、クラブが謝罪する異例の事態に追い込まれた。

 オフシーズンは、試合こそ実施されないものの、来シーズンに向けたクラブの様々な取り組みが活発になる時期でもある。エバートンは、来シーズンで使用する新ユニフォームに先駆け、2000年から利用していた現行エンブレムに代わる、新たなデザインのエンブレムを発表した。

 しかしその直後から、新デザインを不満だとするサポーターからの猛反発が巻き起こる。新エンブレム使用中止を望むオンライン署名は2万人分が集まり、ツイッターでは反対運動を目的としたアカウントのフォロワー数が4000人を突破。日本でいう「炎上」だ。

 事態を重く見たエバートンは急遽、CEOを交えて緊急会議を実施。新デザイン発表後わずか3日にして、冒頭にある異例のお詫び声明を公式サイトに掲載する事態となった。発表されたばかりの新エンブレムは2013-14のワンシーズン限定使用とし、翌2014-15シーズン以降に向けて、さらに別のエンブレムが制作されることとなった。

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