ガッリアーニ発言の真相
2013年夏の欧州移籍市場でミランが本田を獲得することは間違いない。来年1月ではなく今夏、である。
ただし、その発表を7月13日以前にミラン首脳が行うことはできない。理由は単純にして明快。来る13日に、ロシア・スーパーカップというCSKAモスクワにとって極めて重要な一戦が控えるためだ。
これを目前にした現時点で買い手側であるミラン首脳が軽率なことを言えるはずがない。他クラブの契約下にある選手の獲得を、その他クラブ(交渉相手)側の了解なく公表するようなことがあれば、当然のことながらそれは違法行為であるためUEFAの制裁対象となる。
よって9日、ミラネッロにおける今シーズンの合宿初日の会見の席上、ガッリアーニ(ミランGM)は日本メディアのややダイレクトに過ぎる質問にこう苦笑しながら答えたのである。
「(クラブの顧問)弁護士から次のように答えなさいと予め指示を受けている。“本田のミラン入りが(来年)1月に実現することを強く望む”、と。それ以外このことは(現時点では)言えない」
いずれにせよ、周知の通り本田とCSKAの契約期限は2013年12月末日。だが、FIFAの規約により、先の7月1日をもってミラン首脳は本田側との間で<契約締結交渉>を公に始める権利を得たのだが、その新たな契約自体の発行は本来、法規上は「2014年1月1日以降」となる。
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