日本もコンフェデに照準を合わせるべきだった
――まずは3試合を振り返って全体の印象はいかがだったでしょう?
「コンフェデ杯にコンディションをしっかり合わせたという印象はなかった。自分たちの攻撃サッカーを見せて勝つという方針だったのか、ザッケローニがどう考えていたのかはわからないけれど。アジア最終予選のドーハでの試合もほぼベストメンバーだったでしょう?
ドーハから長距離の移動があって、中3日でブラジル戦を迎えている。そういう状態でブラジルと戦うのは厳しいですよ。ましてやブラジルはホームの大観衆もあって、非常に集中した状態で試合に臨んでいた。この時点で、日本もコンフェデ杯に照準を合わせたほうが大きな意味があったのではないかと感じました。
ブラジルやイタリアが必死になったときの雰囲気は近寄りがたいものがあります。勝つための手段を選ばないとか、試合運びのうまさとか、勝負のしたたかさとか、そういうものを肌感覚で経験できた大会だったし、その差が如実に出てしまったのだろうと思います」
では、ブラジル戦の前半3分、電光石火ともいうべきネイマールの先制ゴールから分析を始めたい。左サイドのミドルサード、マルセロからの矢のようなクロスをゴール前中央で受けたフレッジが胸で落とし、ネイマールが間髪なく右足を振り抜くと、そのシュートは日本のゴールマウス右上に突き刺さった。
「素晴らしすぎるよね、シュートが」
――ネイマールのシュートに対してディフェンスの詰めの甘さは感じますか?
「甘いと言えば甘いけど。うーん、どうでしょうねえ」