目標は勝点53だが…
夏場のコンディションが心配されたスロベニア出身の大砲ノヴァコヴィッチも、今季は精彩を欠かずにプレーしている。鳥栖戦では訪れた2度の決定機を決められなかったが、試合終了までピッチに立ち攻撃陣をリードした。
鳥栖戦を欠場したズラタンの足の状態はやや気になるが、代わりに出場した長谷川や富山、チャンスメーカーのチョ・ヨンチョル、渡邉とのコンビネーションも冴えていた。
エースの頼もしさについて金澤は、「ノヴァは昨年の経験があるから日本の夏の過ごし方が分かったはず。調子は良さそう。今年は円陣のときに声を掛けたりして、先頭に立ってみんなを引っ張っている。練習の取り組み方も本当に真面目だし、素晴らしい人間性も見せてくれている」と言う。
大宮が掲げる今季の目標は、あくまでも勝点53以上。14試合を終えて勝点33だから、目標達成はそれほど遠くないと言える。それでも冷静で謙虚な選手たちは、目標を達成して満足することはないだろうし、もうしばらくは優勝の二文字を口にすることもないだろう。
しかし、攻守両面で抜群の安定感を誇り、絶対的ストライカーを擁し、少しの気の緩みも感じられないチームは、7年前に記録したJ1過去最高位の12位(勝点44)を上回るだけに止まらず、J1初制覇を成し遂げるのに十分な力を備えていると思う。
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