確立されている“自分たちのスタイル”
そんな大宮の現状は、初優勝も見据えて戦う後半戦で大きなアドバンテージになるだろう。少なくとも、監督を信じられず、自分たちを信じられず、原因は分からないけどとにかく何かを変えなくてはいけないとか、場当たり的な戦いをせざるを得ない状況とは、無縁のレベルにいることは間違いない。
やるべきことは、これまでやってきたことを繰り返し、攻守の精度を上げることのみ。たとえ結果が出なくても、何かを変える必要はない。自分たちのスタイルを貫き、身体に染み込んだプレーを続ければいい。そんなチームが大崩れするとは思えない。
実際、リーグ戦の再開初戦となった第14節の鳥栖戦は1点リードを守れず引き分けに終わったが、選手たちに動揺の気配はなかった。悲観も楽観もせず、勝点1という現実を受け止めながら発せられた言葉は、「いかに追加点を奪うか」とか「90分を通して試合をコントロールできるようにしたい」という、前向きなものばかりだった。
リーグ戦の第17節まで、12日間で4試合を戦うスケジュールはどのチームにとっても過酷だとは思う。ただし、立ち戻れる“自分たちのスタイル”が確立されている大宮は、勝敗に左右されず、ぶれずに試合を重ねることができる。
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