謙虚さと自信を兼ね備えた大宮
首位の大宮が誇れる特長のひとつが、選手たちの謙虚さではないだろうか。J1昇格から8年連続で残留争いを演じてきた昨季までと異なり、首位を独走している状態を考えれば少しは調子のいい言葉が聞けそうなものだが、選手たちに浮ついた様子は一切ない。
現在の状況に満足している選手は皆無と言っても、過言ではないと思う。レギュラーもサブも区別なく、すべての選手たちが地に足をつけて、ベルデニック監督が思い描くサッカーの実現に向けて邁進しているのだ。
謙虚さは、つまり慢心していないということで、決して自信がないという意味ではない。それどころか、選手たちは日を追うごとに自信を増し、堂々とプレーしている。
指揮官も選手たちの変化を感じているようで、1-0で勝った5月20日のダービーマッチの後には「自分たちがいいプレーをしていること、力があるということを少しずつ信じられるようになってきた」と語っていたが、それから2カ月半、リーグ戦再開前には「選手たちのほぼ全員が自信を持ちながらプレーしている。チームの可能性を信じ、確信を持ち、迷いなくプレーできている」と手応えを口にするまでになった。
監督が掲げるコンセプト、チーム全体が目指す方向性、それは自分たちのサッカーとも言い換えられるものだが、それに対して迷いがない。監督の言葉を借りれば「ほぼ全員」の選手たちが、自分たちが取り組んでいる練習を信じ、疑わず、迷いなくプレーしている。
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