FKを決めた中村憲剛。まんがが後押しか?
これらの話を恋塚は「すべて天野の受け売りですけどね」と前置きした上で話してくれたが、それでも、これまでフロンターレが行ってきた実現不可能とも思える数々の企画は、やはりクラブスタッフ全員の情熱なしには成立しなかったに違いない。
さて。肝心の試合というと、4-2で難敵・鹿島を下した。昨年の一大プロモーション「難局物語」では試合に負けて本当に悔しがっていただけに、今回はクラブスタッフの喜びもひと際大きかったはずだ。
観客数も18000人以上が入り、改修中の等々力競技場ではほぼ満員となる数字を記録。試合中のスタジアムの雰囲気、一体感は今季最高のものだったと言っていい。公式戦10試合負けなしとなり、チームの順位も7位に浮上した。
「あのゴールは、まんがパワーということでいい?」
試合後、彼らしからぬ鮮やかなフリーキックを決めた中村憲剛に思わずそんな風に聞いてみた。
彼は一瞬、「えっ?」と言った後に、「…そうですね。後押ししてもらいました」と苦笑いしながらも、大人の対応をしてくれた。聞くと、ボールをセットした瞬間、入りそうな感覚が駆け巡ったそうである。めったにないことだそうだが、「今日はそういう日だった」とのことである。やはり「まんがパワーで試合に勝った」ということにしておこう。
こうして「闘A!まんがまつり」は幕を閉じた。
【了】