「川崎」という地域にこだわるワケ
すると今度は、漫画やアニメという視点で「川崎」という街を眺めていくこともできるようになる。等々力競技場から歩いてすぐのところに、漫画重要文化財であふれた「まんが寺」と呼ばれている「常楽寺」の存在に辿り着く。
実は7月31日の湘南ベルマーレ戦では、このまんが寺の見学ツアーを中原区役所主催で開催するそうである。こうやって、一つの企画がどんどん広がりを見せていくのだという。
「サッカーとは結びつかなくても、地域性となら噛み合う。だからウチは川崎にこだわっているんです」
そう話してくれたのは、天野部長とともに今回のイベントを進めてきた恋塚唯だ。地域性と噛み合うならば、他のクラブならば、手を出さないようなニッチな分野とも企画を持ち込んでいくのだという。
「そのほうがウチらしいし、際立ちますから。それに他のクラブだったら難しくても、フロンターレなら『ありでしょ』ってなりますから(笑)。そうやって噛み合わせていけば、(企画に)不可能はないと思っています」
そして大事なのは、組むとなったら本気でやることだという。
「100%、200%の力でやること。その情熱ですね。一緒にやると、その熱を相手も感じてくれるんです」
【次ページ】FKを決めた中村憲剛。まんがが後押しか?