メキシコと日本は正反対のゲームプランだった
――今大会最後の試合となった対メキシコ。この一戦に関してはどうでしょう。
「いくつかの場面で対イタリアと同じ日本をみた、という印象だね。立ち上がりは素晴らしく、プレーのスピードもコンビネーションも実に素晴らしいものがあった。だが、致し方ない、というべきか、疲労を蓄積させていた日本は時間の経過と共に消えて行った。
一方で、件の狡猾さという巧さに長けるメキシコは恐らく、日本とは正反対のゲームプランを描いていたのだろう。耐え凌ぐ術を知る彼らは日本に主導権を握らせながら、敵の攻撃を被りながらも失点を被らない術を駆使しながら、虎視眈々と日本の隙を衝くべきタイミングを見計らっていた。
“敵の攻撃を被っても失点を被らない守備力”、これを必要としないのは今や世界中でスペインのみと言えるのだろう。とすれば、日本に限らずイタリアもまた、相手がブラジルやアルゼンチン、スペインやドイツといった国になれば“相応の”戦い方が必要になる。それを知らずしてW杯で上に行くことは困難と言えるはずだ。
だが、あのザックがその意味を知らないはずはない。あと1年、その部分の改善にこそ彼は最も力を注ぐであろうし、この今にして既に一定の水準にある日本代表をさらにひとつ上のレベルにまで引き上げてみせるだろう」
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