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フェライニと香川が化学反応を起こす可能性も。マンU新監督モイーズが攻撃的スタイルで戦うべき理由

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

それでも攻撃的姿勢を示す理由

 であれば、迷わず、内に秘めた一面を表に出すべきだ。環境が変われば攻撃色も強められることを実証しなければならない。ユナイテッドの決定力は、得失点差で「28」の開きがあった昨季の数字が示す通り、エバートンをはるかに凌ぐのだから。

 1トップは、2年連続リーグ得点王のロビン・ファンペルシー。トップ下には、昨季末に移籍説が浮上したウェイン・ルーニーが抜けたとしても、昨季に2年目への期待を抱かせた香川真司がいる。

マンチェスター・ユナイテッド
2年目の香川真司に期待【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 外に流れては、アウトサイドで数的優位を作り出して突破口を切り開く香川は、ボールを求めて下がりがちなルーニーよりも、サイドアタックを好むモイーズ向きと言えなくもない。

 古巣から引抜きが噂されるマルアン・フェライニなど、背後に強度の高いセンターハーフを加えることができれば、ルーニーほど攻守に万能ではない香川も、より安心して使うことができるだろう。

 幸か不幸か、来季のユナイテッドはホームでの第2節チェルシー戦をはじめ、開幕1カ月強でシティとリバプールとも対戦する。序盤戦の強豪対決は、ポイントを落としても、優勝争いでは致命傷にならないことも多いが、慎重すぎる采配は、新監督の信憑性に大きなダメージを与えかねない。

 幕が上がった「ファーガソンなき時代」。まずは、「モイーズのユナイテッド」ではなく、「ユナイテッドのモイーズ」に注目だ。

【了】

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