「J1に昇格したぞ、とあいつに伝えてやりたい」(駒井善成)
──ひざの状態は?
「完全じゃないですけど、やれる範囲で」
──今からいきなり向こうに行ってもできる?
「いやもう、やってみます」
──先週ホームは最後でしたが今日が最後ということで感慨は?
「最後にいいところを見せて終わりたかったんですけど、うまくいかなかったです」
──どんな気持ちなんですか。
「勝ちたかったっていうのはでかいですね。最後に、ほんまに勝って(スイスに)行きたかった」
──やり残したことは?
「後悔はないです。もっとやらなあかんな、という気持ちがあったくらいです」
──こみあげるものは。
「今日よりはこの前のホーム戦の方がありました。やってやろう、という気持ちはこの前の方が強かったかもしれないですね」
──今は次に向かって?
「そうですね」
気持ちの整理はついているようだ。久保の眼は欧州を向いていた。
京都サンガF.C.U-18で久保の一学年先輩にあたる駒井善成は後輩を思いやった。
「本当に勝って笑顔で送り出したかった。送ってあげたかったですけど、結果的に失点しちゃって。引き分けで、って形になったんですけど。それでもやっぱり、あいつは変わらず、今まで通り、一生懸命努力してプレーしていくだろうし。
ぼくたちも日本でしっかりやって、この京都サンガF.C.がJ1に昇格したぞ、とあいつに伝えてやりたいと思います」
高校生ながらA代表に選ばれ、J1出場を経験しないまま、J2から欧州1部のクラブへと移籍。日本サッカーの進度を測る貴重な存在である久保が、スイスでどのようなプレーを見せるか。楽しみで仕方がない。
【了】