中2日のイタリアが立ち上がりから主導権を握る
南半球のブラジル。普段イタリアで取材活動をしている筆者を含め、北半球に住んでいるものは単純に「季節は反対だから涼しいはず」と想像してしまう。しかし、そんなことはなかった。赤道直下のフォルタレーザをはじめ、国土の大部分は熱帯。暦の上では”秋”でも十分暑いのだ。南方のリオ・デ・ジャネイロあたりでも、日が射せばビーチは人で賑わう。
3位決定戦の会場となったサルバドールは、日差しが強く常夏の地域である。22日のブラジルvsメキシコ戦の日は雲一つない快晴で、キックオフとなる午後4時の時点でも相当に暑かった。そんなところで、太陽光線が最高に強い午後1時から試合をしようというのだから、高い湿気も含めてサッカーをするには過酷な条件である。
その上イタリアは、準決勝スペイン戦でPK戦までもつれたのち、移動も含めて中2日で3決と非常にタイトなスケジュールの元で試合をすることになる。「日程については再考いただきたい。これでは危険だ」と、プランデッリ監督は前日の会見で警鐘を鳴らしていた。
事実、イタリア各選手のコンディションは整わず、スペイン戦から5人を入れ替えざるを得なかった。ピルロやバルザーリなど、センターラインの主要戦力は欠場である。一日多く休めたウルグアイの有利が予想されたが、拮抗し最後まで緊迫感のあるゲームが展開された。
前半ペースの掌握に成功したのは、意外にも疲れを残しているはずのイタリアだった。
エル・シャラウィを左ウイングに起用した4-3-3システムのもと、DFラインを高く上げ前方から積極的にプレスを掛ける。特に左サイドでは、エル・シャラウィが中に絞って創り出したスペースを、デ・シリオとカンドレーバが活用するという絶妙な連動が仕上がっており、このサイドの攻防を制して主導権を握る。そして24分、セットプレーのチャンスを確実に活かして先制に成功した。
しかしここから、ウルグアイもペースを上げて反撃。右SBのマキシミリアーノ・ペレイラを一列前に上げ、カセレスを右SBに回すなど右サイドの守備を整え、フォルラン、スアレス、カバーニの少人数カウンターで対抗する。