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失意のまま終わったコンフェデ。吉田麻也は“世界との差”をどう感じたのか?

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography,Kenzaburo Matsuoka

「五輪と全く同じ形で失点してしまった」

 イタリア戦でも吉田は勝負の明暗を分ける後半立ち上がりの内田篤人のオウンゴールによる2失点目のきっかけを作った。ジャッケリーニの飛び出しに対し、シンプルにクリアに行っていたら事なきを得たはずだったが、飛び込んでかわされるという最悪の結果を招いた。

「クリアするか体を入れる2つの選択肢があって迷っていた。クリアしてもよかったんですけど、周りから声がかかったんで体入れようと思ったら入れ替わってしまった。チームとしていいサッカーをしている時に個人のミスでもったいない形で失点してしまうとリズムも崩れる。非常に申し訳ないと思いました」と彼は反省しきりだった。

 3月のヨルダン戦でもそうだが、吉田は失点につながる致命的なミスが目立つ。守備の砦になるべきセンターバックはもっとセフティに行かなければいけない。もともとボランチの彼は自然とよりリスクを冒しに行こうと考えてしまうのかもしれない。

ただ、世界トップの相手を完封したければ、決定的なミスを減らすしかない。イタリア戦で歴史的勝利を逃したことで、自身のやるべきことを再認識したに違いない。

 それを受けて最終戦のメキシコ戦では後半20分から登場。3-4-3の右DFとしてチーム立て直しに一役買った。しかし出場直後にエルナンデスにリスタートから2点目を奪われ、勝利に貢献することはできなかった。

「エルナンデスのセットプレーの2点目なんかは五輪でも全く同じ形でやられているのに、全く同じ形で失点してしまった。僕が入ったことによって(前田)遼一さんとハジ(細貝萌)君のマークをずらして、そこはマークをつけていましたけど、メキシコはずっとあれを狙っていたと思う。

 試合前でもプレーの直前でもチームメートに伝えるチャンスはあった。それができなかった自分自身、詰めが甘かったと感じています」と吉田はロンドン五輪での悪夢の再現を許してしまったと残念がった。

 せっかく高いレベルの世界舞台に立ったのだから、それを生かさなければ意味がない。1つひとつの経験を糧にしていけるように自己研鑚を図る必要があるだろう。

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